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【要約&感想】ちきりん「未来の働き方を考えよう」将来が不安な現役世代に必読の書

読書
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止まらない物価上昇、上がらない給料、増え続ける税負担、加速する超高齢化、縮小する国内市場・・・
コロナによる社会の大混乱から抜け出しつつある現在においても、多くの人は将来に漠然とした不安を抱えながら暮らしているのではないでしょうか。

大人気ブロガーちきりんさんの著書『未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる』はそんな「漠然とした不安」をわかりやすく言語化し、その不安に積極的に立ち向かうアイデアを提案してくれる本です。

この本を読むことで「老後の生活資金は大丈夫だろうか」「このままの働き方でいいのだろうか」「めまぐるしく変化していく時代を生き抜くために何が必要なのだろうか」といった不安や疑問の多くが解消し、未来を恐れることなく前向きに捉えられるようになると思います。

この記事では本書の要約と、私の感想をまとめました。

「未来の働き方を考えよう」著者ちきりん氏のプロフィール

月間200万PVを超える大人気ブログ「Chikirinの日記」を運営。
「社会派ブロガー」としてあらゆる社会問題を独自の視点からわかりやすく解説されています。
Twitterフォロワーは37万人以上、Voicyフォロワーも19万人以上。日本で最も影響力をもつインフルエンサーの一人です。

「自分のアタマで考えよう」「マーケット感覚を身につけよう」など思考法やキャリア、スキルに関する著作も発表しており、幅広い世代から圧倒的な支持を得ています。

「未来の働き方を考えよう」要約

超高齢社会化がすすむ日本では「働く期間の長期化」が避けられません。
すでに年金受給開始年齢が原則65歳に引き上げられていますが、最近ではついに厚労省が年金納付期間を65歳まで延長する検討に入りましたね。日本の人口構成を考えると、将来的には70歳(または75歳?)まで働くことが当たり前の社会になる可能性も十分にあります。

「は?そんな年齢まで働きたくね~~~!!!」と思った方はぜひ先を読み進めてください。

人生を二回生きる

長期間労働を余儀なくされる日本において、ちきりんさんが提案するのは「職業人生を2回選ぶ」という働き方です。
本書の副題である「人生は二回、生きられる」とは、働く期間を20代から40代後半までの前期と、40代後半以降の後期の2回に分けることを意味します。

一回目の職業選択で「正解」を選べる人はそう多くありません。社会に出てまともに働いた経験のないハタチそこそこの若者が、自分に合った仕事や本当にやりたい仕事なんてわからなくて当然だからです。

55歳定年の時代であれば、多少合わない仕事でも我慢して頑張れたでしょう。長く勤めればそれだけ給料が上がり続け、当時は社会保障負担が少ないので手取りも多く、将来の見通しも明るかった。一生懸命働いて会社に尽くせば報われる時代だったとも言えます。

しかし今はどうでしょうか。バブル崩壊以降、日本の平均年収は上がるどころか下がっています(厚労省資料)。一方で国民負担率は1970年からなんと2倍近くまで上昇(財務省資料)。それでいて求められる能力はどんどん高度化し、時代の変化に合わせた絶え間ないスキルの研鑽が不可欠になりました。いまだ年功序列制が残っており若者ほど安い給料でこき使われることが多く、しかも将来の年金は減額されそう・・・という働く意欲が失せる要素満載の世の中です。やりたくもない仕事を税金払いつつ死ぬまで続けるなんて、何の罰ゲーム?って感じですよね。

こんな閉塞感ただよう日本で生き抜く新しいライフプランとして、ちきりんさんは「二回目の職業選択」を提案しています。
自分の適性や能力、必要な生活費、世の中の仕組みなどが把握できてきた40代こそ、真に自分に合った働き方を選ぶのに最適な時期だというわけです。

本書では「人生を二回生きる働き方」についてさまざまなモデルケースが紹介されています。40代でいったん仕事を辞めて自分のやりたいことをやってから仕事を再開する「休憩型」、40代以降は半年間だけ働いたり好きなことだけやる「プチ引退型」など選択肢は人によってさまざま。

人生100年時代、どこかの地点で立ち止まって「自分が本当に望む生き方」をじっくり考え、人生を主体的にデザインしていくことは多くの人の幸福度を高めるのではないでしょうか。

オリジナルの人生を手に入れる3ステップ

ちきりんさんが提唱する自分オリジナルの人生を設計する3つのステップは以下のとおりです。

  • 1. 手に入れたい人生を明確にする
  • 2. 複数の将来シナリオをもつ
  • 3. 市場で稼ぐ力をつける

まずは手に入れたい人生を明確にします。「毎日遊んで暮らす」などふわっとした理想ではなく、毎日何時に起きて何をするかまで具体的にイメージすることが大切です。

次に自分のキャリアについて複数のシナリオを考えます。そしてその中から進む道を選び、必要な知識やスキルを身につけるためにやるべきことを考え実行していくことで、40代で行う「人生の再設計」に備えることができます。

自分オリジナルの人生を歩むには「市場で稼ぐ力」が必要です。
市場で稼ぐ力とはつまり、会社や組織を介さずに稼ぐ力のこと。
自分の人生を他者に委ねることなく生きるには、個人で価値を生み出せる人になる必要があります。市場ニーズを意識しなくてよい立場で働いている人には、副業を通じて市場で稼ぐ経験を積むことをちきりんさんは推奨しています。

「未来の働き方を考えよう」感想

以上、本書の要点を私なりにまとめてみました。
結論部分だけ抜き出した格好になりましたが、本書中では結論に至るまでの背景や考え方が丁寧に記述されています。日本のみならず世界で起こっている革命的な変化についてもわかりやすく具体的に解説されていますので、全体を通して読むことでこの結論がより深く理解できると思います。

衝撃的だったのは、この本が発売されたのが2013年ということ。
もう10年近く前の本ですが、つい数日前に発売されたと聞いてもおかしくないほど見事に現在の社会を言い当てています。「予言者か!?」ってくらいの的中度なので何度も鳥肌立ちました。ちきりんさんの未来を見通す力に脱帽です。

真の安定とは「自分の働き方を自分で選べること」

私が社会に出て働き始めたのは2014年。公務員と会社員を経て、31歳からフリーランスの道を歩み始めました。「学生時代にこの本を読んでいたら遠回りせずに済んだかもな~」と思う反面、当時はちきりんさんの言うことが自分事として受け止められなかっただろうとも思います。

就職活動時は「公務員=安心・安定=幸せな人生」と信じて疑わなかったけど、実際に働いてみるとそれは違いました。「クビにならない保障」と引き換えに「働き方を選ぶ自由」を奪われていることに気づいたから。

大企業や公務員組織に勤めていると、ちきりんさんの言う「市場で稼ぐ力」が仕事を通じてほとんど身につきません。組織の外に出たら何の役にも立たない仕事が多すぎて、転職が年齢を重ねるごとに難しくなっていくのです。

本書を読んで、真の安定とは「自分の働き方を自分で選べること」だと実感しました。
私は見切り発車で「二回目の人生」を歩み始めましたが、これからどんな働き方をするかは模索中です。思っていた以上にたくさんの選択肢があることを教えてもらったので、本書を参考にじっくり「オリジナルの人生」を設計していきたいと思います。

本書から受け取った強いメッセージ

この本を読んでいて私が強く感じたのは「自分が本当に心の底から望む人生を生きようよ。型にはまらず自分の好きなように生きればいいんだよ」というメッセージでした。簡単なようで難しいことですが、この本にはそんな「自分にとっての理想の人生」を実現するための具体的な手段が書かれています。

「もっといい時代に生まれてたらもうちょっと楽に生きられたのかな~」なんて思うときもあったのですが、この本を読んで「むしろこの時代に生まれたことはラッキーだった」と考えが変わりました。「いい大学を出ていい会社に入り、結婚・出産・子育てを経てやっと悠々自適な老後を迎える」という絶対的な”正解”がある時代って人によってはめっちゃ窮屈で辛いだろうなと。私みたいな社会不適合者にとっては、多様な働き方・生き方が認められるようになってきた今の時代のほうがよっぽど幸せだと思うようになりました。

どんな社会環境であっても、特別な才能がなくても、自分の考え方や行動次第で幸せに生きることは十分可能なんですね。

まとめ:主体的に人生をデザインすれば未来は明るい

本書の要点をまとめます。

  • 日本は超高齢社会に突入→働く期間と人生の長期化
    従来の働き方で70歳まで働き続けることは多くの人にとって苦しい道
  • 「一生の間に二つの職業人生を送る」という新しい働き方の提案
  • 自分が本当に望む人生を明確にして、複数のシナリオから主体的に「二つめの働き方」を選ぼう
  • 自分で選んだ人生を実現するには「市場で稼ぐ力」をつけることがとても重要

以下のどれかにあてはまる人には特に本書をおすすめします。大げさに聞こえるかもしれませんが、人生が変わる可能性すらあると思います。

  • 今の働き方を続けていいのか悩んでいる人
  • 働き方や生き方を変えたいと思っているが、具体的な方法がわからない人
  • 将来に漠然とした不安を抱えている人

本書は日本と世界で起こっている重大な変化、働く世代が抱えるもやもやした不安の正体を言語化し、この激動の時代を生き抜く方法を指南してくれています。前半は現実を突きつけられて「ウッ」となりますが、読み進めるうちに現実を受け入れる覚悟ができて読後は「さて、自分の人生をどうデザインしていこうかな?」と前向きになれる本です。

自分が本当に望む働き方・生き方を考えるヒントが詰まった一冊、ぜひ読んでみてください。

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